東京電力が平均約3割の値上げを申請 6月から、家庭向け 政府の負担軽減策の効果を打ち消す上げ幅

2023年1月24日 06時00分

東京電力ホールディングス本社

 東京電力ホールディングスは23日、家庭向け規制料金について、6月1日から平均29.31%の値上げを経済産業省に申請した。政府は物価高対策として、家庭の電気料金を2月検針(1月使用)分から約2割引き下げる。だが、東電の申請通りの値上げ幅が実現すると、6月からは政府支援額を上回ることになり、家計には打撃となる。(砂本紅年)

◆「また値上がり…」

 「ただでさえ上がっている電気代がまた値上がりなんて…。私のランチ代を削るしかない」。東電と契約する会社員女性(44)はため息をつく。
 女性は5人家族でマンションに住む。昨年12月使用分の電気代は約1万円と、節電で前年同月より使用量は減ったが、料金は2割近く上がった。政府は1月使用分から1キロワット時当たり7円を支援。標準的な家庭の場合、使用量260キロワット時で月1820円の負担減となる。
 女性の家でも政府支援によって電気代は昨年並みになるが、6月から東電の値上げが実現すれば帳消しとなる。政府の支援額は9月使用分から半減し、10月以降は決まっていない。女性は「物価全体が上がっているので不安」と、財布のひもを締めるつもりだ。
 また、電力大手傘下の送配電会社が電気を届ける送配電設備の利用料として、電力小売事業者から徴収する「託送料金」が4月から、値上げされる予定。東電管内の標準家庭は、今回の申請に含まれていない月50円程度が上乗せされるため、政府支援による恩恵はさらに薄まる。

◆今後、上げ幅が圧縮される可能性はある

 ここ30年間、賃金が伸び悩んでいる影響で、家計に占める電気代の割合も増えている。1970年代の石油ショック時に原油価格が高騰し、電気代は約6割値上がりした。総務省の家計調査によると、家計に占める電気代の割合は75年が1.7%だったが、2021年は3.7%になっている。
 今後、経産省は値上げ幅が適切かどうか、数カ月かけて審査する。12年の前回の値上げでは、東電の申請時の平均10.28%から、認可時に8.46%に圧縮された。
 今回の値上げの主な要因が燃料価格高騰のため、西村康稔経産相は23日の会見で、「特に燃料調達の費用見込みを厳格に審査する」と強調。「経営の効率化や資産の運用など含め、しっかりと確認をしていく」とも述べ、値上げ幅が圧縮される可能性はある。

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