「闇バイト」で集まり犯行か 東京?狛江など関東で続く強盗?窃盗 中野事件の被告「現場で初めて会った」

2023年1月24日 06時00分
 東京都狛江市の住宅で19日に住人の大塩衣与さん(90)の遺体が見つかった強盗殺人事件は、実行犯のほかに複数人が事前に情報を共有していた疑いがあることが明らかになった。別の2事件で逮捕された容疑者の携帯電話には「狛江市」の地名が記録されており、指示役から強盗計画を伝えられていた可能性がある。警視庁は一連の強盗グループ結成の背景に、闇バイトの存在があるとみて調べている。(榊原大騎、井上真典)

◆「金になる案件」

 「『金になる案件』があると知って、強盗をするために集まった。メンバーとは現場で初めて会った」

強盗殺人事件が起きた現場の住宅=23日、東京都狛江市で、本社ヘリ「おおづる」から

 昨年12月5日、中野区の住宅に宅配業者を装って押し入り、住人の男性(49)に6人で暴行を加えて約3000万円を奪ったとして事件当日に逮捕された和野正弘被告(34)=強盗致傷罪などで起訴=は、警視庁の調べにそう供述したという。捜査幹部は「交流サイト(SNS)の闇バイトに応募した可能性が高い」としている。

◆山口、広島でも同様の強盗事件

 中野の事件が急展開したのは今月21日だ。足立区の路上にいたメンバーの1人、永田陸人容疑者(21)を警視庁が逮捕し、使っていたレンタカー内からスマートフォンを押収。大塩さんが殺害される前日の18日、「狛江市」という地名と時間が記されたSNSのやりとりが見つかった。
 4?8人の多人数で住宅内に押し入り、暴行や脅迫などにより住人から現金などを奪う強盗事件は、昨年10?12月、東京都稲城市や山口県岩国市、広島市でも発生。中野の事件と手口が似ていることから、警視庁が、同事件のメンバーが関与した疑いがあるとみて捜査していることが分かった。被害が広範囲に及んでいる可能性がある。
 大塩さんの事件が発覚したきっかけは、今月12日に千葉県大網白里市のリサイクル店で男性店主(76)を襲ったとして、強盗傷害容疑で逮捕された自衛官の男(23)の携帯電話から、強盗対象として大塩さんの住所が見つかったことだった。
 住所は指示役とみられる人物から「テレグラム」で送られていた。この通信アプリは秘匿性が高く、「闇バイト」のやりとりに利用されることも多い。
 先月16日に渋谷区のブランド品店でアクセサリーを盗んだとして、窃盗容疑で逮捕された3人組の男の1人が「インスタグラムの闇サイトに応募した」と供述するなど、SNSで強盗?窃盗グループ結成につながるケースが目立つ。
 ある捜査関係者は「首謀者が『楽に稼げる』などと誘い、応募者に免許証のコピーなどを送らせて逃げられなくする。甘い言葉に乗ってはいけない」と語る。

◆識者「被害者リストを基に犯行の可能性」

 一連の事件では、1人で自宅にいたお年寄りが被害に遭うケースが目立つ。立正大の小宮信夫教授(犯罪学)は「ニセ電話詐欺で使われるような名簿を基に、ターゲットを定めている可能性がある。『わざわざ詐欺までしなくても、押し入ってしまえばいい』と安易に切り替えているのかもしれない」と指摘した上で、「実行犯が逮捕されたとしても、首謀者や指示役は捕まりにくい。警察はサイバー捜査をより強化すべきだ」と注文を付けた。

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